こんにちは、Shirataki(しらたき/@shirataki5656)です!
忍者と聞いて思い浮かべる姿は人それぞれかもしれませんが、多くの人が黒装束に身を包み、網タイツを着用した姿を想像するのではないでしょうか。
しかし、実際の歴史において忍者が網タイツを着ていたという証拠はありません。
では、現代のメディアやエンターテインメントにおいて、なぜ忍者は網タイツを着ているのでしょうか。
この記事では、その理由と背景を探ってみたいと思います。
※本記事は、筆者の妄想が多分に含まれており、必ずしも科学的根拠に基づいたものではないことをご了承ください。
歴史的な忍者の実像
まず、史実の忍者について触れておきましょう。
忍者は戦国時代から江戸時代にかけて活動した特殊技能集団であり、その最大の使命は「目立たずに任務を遂行すること」でした。
七方出(しちほうで)という言葉があるように、状況に応じて商人、虚無僧、山伏、農民など、様々な姿に変装して社会に溶け込んでいました。
いわゆる「忍者装束」として夜間に活動する場合も、闇に紛れやすい藍色や柿色の野良着を用いるのが一般的だったとされています。
目立つ網タイツや、シルエットが浮きやすい真っ黒な装束は、隠密行動において理にかなっていません。
黒装束や網タイツを着ていたという記録はなく、むしろ環境に溶け込むための服装をしていたのではないでしょうか?
漫画的表現による忍者
では、あの網目模様はどこから来たのでしょうか?
有力な説として、「網タイツは鎖帷子を簡略化して表している」というものがあります。
鎖帷子は、鉄の輪を編んで作られた防具で、着物の下に着用して身を守るものです。
史実の忍者も着用していたと考えられますが、これを漫画で描く際に大きな問題がありました。「描くのが大変すぎる」のです。
1950年代〜60年代、忍者漫画の金字塔である白土三平氏の『忍者武芸帳』(1959年) や、横山光輝氏の『伊賀の影丸』(1961年) が発表されました。
どちらも忍者を題材とした漫画作品です。
この時点で既に、忍者が着用している鎖帷子がメッシュ模様として描かれています。
ただ、隠密行動を主体とする忍者が、戦闘用の鎖帷子を実際に身につけていたとは考えにくいです。
なんせ重量があるため、動きが遅くなってしまうリスクがあります。
これらの作品において、鎖帷子を毎回緻密に描く手間を省くため、網掛け(クロスハッチ/メッシュ模様)で表現する技法が採用されたと思われます。
あくまで、漫画的表現として鎖帷子が描かれ、それがメッシュ模様に簡略化されたのでしょう。
この漫画的表現が現代にまで受け継がれ、いつしか「忍者=メッシュ模様」という風にイメージが確立されていったということになります。
以降、『NARUTO』をはじめとした忍者漫画において、メッシュ模様が広く一般的に使われるようになりました。
三次元世界への逆輸入
この漫画ならではの「記号としてのメッシュ表現」が、やがて実写(三次元)の世界へ逆輸入され、独自の進化を遂げます。
この漫画的表現を実写化するにあたり、そのメッシュ模様を再現するために「網タイツ」という素材が選ばれたのではないでしょうか。
『水戸黄門』のかげろうお銀は、時代劇に登場するくノ一として網タイツを着用していることで有名です。
また、『仮面の忍者 赤影』や 『変身忍者 嵐』,『世界忍者戦ジライヤ』など特撮作品の忍者たちも網タイツ(またはそれに類するメッシュスーツ)を着用する例が多く見られます。
2000年代に入っても、スーパー戦隊シリーズの『忍風戦隊ハリケンジャー』などの作品で、網タイツやメッシュ状のインナーがデザインに取り入れられています。
実用性は定かではないですが、一目見て忍者であることがわかるシンボルとして、網タイツがメジャーな実写作品にて使われています。
まさに、漫画的表現が三次元世界へ逆輸入されたような形となったと推察できます。
忍者×網タイツ年表
忍者×網タイツの歴史を把握するために、年表としてまとめておきます。
抜けているものがあればぜひコメントください!
| 年代 | カテゴリ | 作品名 | 人物・キャラクター名 |
|---|---|---|---|
| 1959年 | 漫画 | 忍者武芸帳 | 影丸 |
| 1961年 | 漫画 | 伊賀の影丸 | 影丸 |
| 1967年 | 特撮 | 仮面の忍者 赤影 | 赤影 |
| 1972年 | 特撮 | 変身忍者 嵐 | カスミ |
| 1986年 | 時代劇 | 水戸黄門 | かげろうお銀 |
| 1988年 | 特撮 | 世界忍者戦ジライヤ | 姫忍 恵美破 |
| 1999 | 漫画 | NARUTO | うずまきナルト |
| 2002年 | 特撮 | 忍風戦隊ハリケンジャー | ハリケンブルー |
まとめ
忍者は網タイツを着ている背景として、「鎖帷子が漫画的表現としてメッシュ模様で描かれ、実写化に伴い網タイツが使われるようになった」というのが今のところ私の見解です。
現在私たちが抱く「網タイツの忍者」は、史実の「防具」と、エンターテイメントの「演出」が融合して生まれた、日本ポップカルチャー独自のユニークな発明と言えるでしょう。
引き続き他の文献を調査し、忍者は網タイツを着ているイメージが広まった歴史的背景を漏れなく辿っていきたいと思います。
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参考文献
[1] 白土三平『忍者武芸帳』(1959年)。鎖帷子をメッシュ模様で表現した初期の忍者漫画作品。Wikipedia
[2] 横山光輝『伊賀の影丸』(1961年)。同時期に発表された忍者漫画で、同様の表現手法が見られる。Wikipedia
※本記事の歴史的解釈は筆者独自の考察を多分に含みます。学術的な定説として確立されたものではない点にご留意ください。
よくある質問(FAQ)
Q: 忍者が網タイツ(網状の衣装)を着るようになったのはなぜですか?
A: 歌舞伎・演劇の舞台衣装から派生したもので、忍者を表現する「定番の記号」として定着したと考えられています。実際の歴史的忍者の装束とは異なり、視覚的な「忍者らしさ」を表現するために発展しました。
Q: 実際の忍者はどんな服装をしていましたか?
A: 史実上の忍者(忍術使い)は状況に応じて農民・僧侶・商人などに変装するのが基本で、特定の「忍者服」は存在しませんでした。黒装束は夜間行動時の暗闇への溶け込みを目的としたとされます。
Q: 網タイツのフェティッシュな魅力とは?
A: 肌が透けて見える視覚的な刺激と、網目模様が体のラインを強調する効果があります。コスプレや舞台衣装としても広く使われる、官能的かつ印象的な素材です。
Q: 鎖帷子(くさりかたびら)とは何ですか?
A: 鉄の輪を編んで作られた防具で、着物の下に着用して刀傷から身を守るものです。忍者に限らず武士も使用した実在の防具で、その網目状の構造が漫画で描く際にメッシュ模様として簡略化されたと考えられています。